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Dom (Swizterland)
昨年、ひどい体調不良で2日目わずか1時間ほどの歩行でギブアップしたスイスのDomを、今年は昨年経験したことを元に修正し、再チャレンジ、今年は無事登ることが出来ました。

8月14・15日(水・木)
ルート
8月14日
Randa station~the Charles Kuonen Suspension Bridge~Dom hutte

8月15日
Dom hutte~Festigletscher~Festijoch~Hohberggletscher~top~Hohberggletscher~Festijoch~Festigletscher~Dom hutte~the Charles Kuonen Suspension Bridge~Randa station

メンバー:gaku(Dom hutte~top~Dom hutteはガイド同行)


今回はあまり日本の人には登られていないこの山と、今後世田谷山友会の人が日本の会社で現実的な9日間(土・日+5日間+土・日)という短い休みの中でヨーロッパアルプスの大きなところに登る際のお役に立てるように、少し詳しく書いてみようと思います。



昨年、今回と目指したDom、正式名Dom de Mischabel(ミシャベル連峰のドム)は4545mとヨーロッパアルプス標高3位の山で、かつロープウェイなどが通っていないため、麓のRandaの駅から連峰山頂まで3100m以上を登るという、これもヨーロッパアルプスのノーマルルートでは1,2の標高差のある山です。

一昨年Mont-brancを登った後、同じくらいのグレードでより体力が必要な山を探したところ、この山を見つけました。
クライミンググレードはPD(少し難しい)で、テクニカルな要素はⅡ、Ⅲ級のレベルです。

Mischabel chain(ミシャベル連峰)はZermattがあるMattertal(マッター谷)とSaas-FeeがあるSaastal(ザース谷)の間に聳える4000~4500mの山々で、Dom(写真右手の尖っていないほうの山)はその最高峰になります。(これは昨年撮った写真です。)

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この山については、参考にする資料が少なかったため、以下のサイトを元に行ってみました。
https://www.summitpost.org/dom/150275
(このサイトは、ヨーロッパアルプスのほぼ全ての山のルートの詳細が出ています。)

https://www.zermatt.ch/jp/Media/Planning-hikes-tours/Domhuette
https://www.zermatt.ch/jp/Media/Planning-hikes-tours/Dom-Ascent
(ここから地図をダウンロード出来ます。)

https://www.youtube.com/watch?v=ImChgR3bbQA
(個人でやっている現地ガイドの動画シリーズです。)


今年はMont-brancを一緒に登ったフランスの人がフランスの鋭鋒、Aiguille Verte(ヴェルト針峰)のクラシックなルートを登り、またその時のガイドさんはヨーロッパ三大北壁の一つ、Grandes Jorassesの北壁を登っていたため、僕も今年こそは大きなところを登りたいと思っていました。

今回は8月10日(土)現地着、8月11日(日)にはスイス中部のLuzernの友達たちと13km程度のハイキングを行い、8月12日(月)に今回の山登りの山小屋、Dom hutteでガイドと会う二日前までにZermattのガイド組合で現在の山のコンディションの確認と残りのガイド料の支払いがあるため、Luzernの観光を終えてからZermattに夕方に着きました。

昨年は同じように土曜日現地着で日曜日に高度順応、月曜日に登山開始で時差ぼけのため睡眠不足がひどく、食欲まで無くなくなり下痢も引き起こしたため、今回は金曜日を予備日として水曜日・木曜日での登山に予定を変更してトライしてみました。
そして考えていた通り、今回も土・日・月くらいまでは時差ぼけがひどかったです。

ガイド組合には昨年と同じガイドさんと登れるようにお願いしていたのですが、当日行くとお願いの通りにガイドさんに依頼をしてもらっていました。
天気予報は晴れですが、天気図の予報を見ると高気圧の張り出しが鈍くまた等圧線の間隔が狭いため、35km/hほどの風の予報が出ていましたが、去年の雪の予報よりはましだったため、予定を変更せず登ることを決めました。

ちなみにZermattでもChamonixでもいくつかガイド組合がありますが、個人的には昔からやっている地元の組合が一番おすすめだと思います。ここがその組合のオフィスです。

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8月13日(火)
この日は高度順応に行きます。本当であれば高度順応の後、一日休息してから目的の山に登るべきなのですが、日程がタイトなため、目的の山の前日になっています。

Zermattには観光のため、標高1500mのZermattからロープウェイで3883mのMatterhorn glacier paradiseまで行くことが出来、ここから行く山で高度順応をしている人が多いです。

Matterhorn glacier paradiseには展望台や氷河内の洞窟、レストランもありますが、そこを出ると雪山が広がっています。
手前のなだらかな山がBreithorn(4164m)、その稜線の岩になっているところがMatterhornへのテストに使われるBreithorn half traverse、次の岩山がPollux(4092m)、さらにその次の岩山がCastol(4228m)です。
ここまでの山を登って高度順応を行う人が多いです。
ちょうどBreithornは昨日の24時間テレビで土屋太鳳さんがトライしていましたね。

なお、奥の大きな雪山はものすごいナイフリッジと雪庇で有名なLiskamm(4527m)で、ここにも自分が今回目指したDom同様、あまり日本人は行っていないようです。

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今回僕は翌日が登山日だったため登っての高度順応はせずに、スキー場になっている部分を歩いたり、休んだり、昼寝をしたりして行いました。
左に見えているのがMatterhornの南壁、また奥に見えているのは左からDent Blanche、Ober Gabelhorn、Zinalrothorn、Weisshornと、いずれもMatterhonよりもグレードの高い山々です。

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ここで6時間ほど滞在し、高度順応を行いました。


8月14日(水)
いよいよ登山の日です。ルートはRanda駅からDom hutteまでの標高1500mで、テクニカルグレードとしては日本の穂高の大キレットと同じくらいです。

今回は「いつもの日本の山と同じような気持ちで登ろう」と決めてきていたので、僕は一日目は甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根の七条小屋まで、二日目はそこから冬の美濃戸口から赤岳までの往復というイメージを地形図と距離、標高差から持って行ってみました。

また、僕はどうも二段ベッドの上の段だと眠りづらいため、下の段をガイド組合に予約してもらいたいと伝えていたのですが、山小屋に行ってから話してほしいということだったため、いつもの日本の山のように朝6時に出発しました。
ヨーロッパの山小屋のリズムとしては、だいたい夕方6時から夕食がスタートするので、4時くらいまでに山小屋についていればよいような雰囲気です。

朝のZermatt駅前からDomがクリアに見えていて、天気は良さそうです。
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Randa駅からDom hutteまでの詳細は、昨年8月に作ったブログと変わっていないため、そちらを見ていただきたいと思います。
ただ、今回は昨年と違い天気がとても良かったため、数点載せておきます。

また、今年は途中まで霧がかかっていたのですが、これが助かりました。
このエリアの山はお日様が出るととても乾燥していてまた日差しも強いため、日本の山と比べて僕はのどがとても乾くのです。
そのため今回はスムースにDom hutteまで登ることが出来ました。

the Charles Kuonen Suspension Bridgeという世界最長のつり橋があるのですが、霧のため先が見えませんでした。
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霧の上に出ると、ヨーロッパアルプスで最も美しく、そして難しく、タフな山の一つ、Weisshornがきれいに見えました。
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岩場の始まりのところで、大きなIbex(ヤギの一種)に出会うことが出来ました。一瞥されただけで、こちらには全く興味がないようでした。
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このような岩場が2時間ほど続きます。去年初めての時は情報がなかったため緊張しながら登りましたが、一度登ったため安心して登れました。
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小屋には4時間50分で到着しました。日本と同じいつものゆっくりしたペースで6時間かけようと思っていたので、ずいぶん早く着いたなあという印象です。左上には去年は見えなかったDomが見えていました。
もっともコースタイムは4時間30分なのですが、スイスのハイキングルートの看板に書いてあるタイムは足の長さが違うせいか、あまり参考にしないほうが良いと思います。
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さっそく受付をすますと、ラッキーなことにベットの下段が用意されていました。
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僕のガイドのAngeloさんはこの日もガイドでDomに登っているということだったので、昼ご飯を食べながら待つことにしました。
これはRostiというスイスの伝統料理でジャガイモを千切りにして格子状に組み合わせて焼いたもので、特にこの山小屋のものはボリュームがあっておいしいです。
あと、これは今回感じたことなのですが、和食に比べスイスの料理は塩分が少ないように思うので、塩も多めに摂るように心がけました。
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やがてAngeloさんが戻ってきました。初めは僕のことがよくわからないようでしたが、途中で「ああ、思い出したよ。去年病気になっていた人だね。今年は登ろうよ。ゆっくりで大丈夫だよ。」と言ってくれて、夕食で色々と話そうということになりました。

このDom hutteはここまでの登りもあり、またDom自体が長い山のためか、MatterhornやMont-brancの山小屋とは違い半ば観光のような人はまったくおらず、本当に山が好きな人だけが集まってきていて、その雰囲気がとても良いです。
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夕食は6時20分からで、翌朝は2時頃起きることがわかっていたため、夕食までの4時間ほど寝ようと計画していました。
が、時差ぼけのせいなのか、いつもあまり眠れません。

しばらくすると同じ部屋に2人の五十代位の女性二人が入ってきて挨拶をしていると、もう一人その人たちのいかにもガイドさんという全身mammutを着た人も入ってきたので挨拶をしました。
女性のうち、一人はReginaさんでドイツから毎年夏にこのあたりの山に登りに来ているとのこと。もう一人はドイツ人ですが数年前からZermattに住んでいるDianaさんで、僕が泊まっているホテルの奥さんとも知り合いということで、すぐに仲良くなりました。またガイドさんはHelmutさんでDianaさんから「この人がZermattでベストなガイドなのよ」と紹介されました。確かにかなり力強い印象の人でした。

夕食は僕とガイドのAngeloさん、そしてReginaさんとDainaさんとガイドのHelmutさんで同じテーブルだったため、すぐに仲良くなりました。特にHelmutさんは陽気な人で、何故か僕を数回、Zermattで見たことがあるらしく、「君は毎年Zermattに来ていないか?通りとかで見たことがあると思うよ。」とか、仕事がCoopであることを話すと「東京にもCoopがあるのか!驚いたよ。」(スイスはCoopが一番大きいスーパーのため)とか、いろんな話をして楽しい食事になり、この人たちと一緒なら、明日は登れるんじゃないかなぁという気になってきました。

実は日本に帰ってきてからこのHelmutさんのことを調べたら、Matterhornに既に200回以上も登り、このエリアだけでなくヒマラヤでも実績を残し、さらにエベレスト近辺のレスキューのレベルがまだ低いため、その講習にも行っているというとてつもない山の人でした。

翌日は2時15分起床、2時半から朝食、3時に出発ということで別れ、寝ました。
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8月15日(木)
やはり良く眠れず、おそらく2時間くらいしか寝れなかったように思いますが、起きてみると不思議なくらいリラックスしていました。
朝食もリラックスしながらたくさん食べましたが、ここで一つ問題がありました。

登山に持っていくお湯を入れようと思っていたのですが、山小屋の人が起きていないため限りがあったため他のクライマーのグループのテーブルに置かれていた大きなポットからお湯をもらっていました。
「僕たちの朝食のお茶のお湯が無くなってしまうよ。」という言われて気づき、自分のテーブルに残っていた小分けのポットからお湯を渡して大丈夫だったのですが、お湯を入れるなら前日夜までに山小屋からもらっておきましょう。

(ここからは夜中のため画像がないので、帰りの画像を見てルートを確認してみて下さい。)
3時にガイドとアンザイレンで出発し、まずはモレーンと言う氷河が削った岩屑の上を1時間ほど歩きます。これは日本のガレ場と同じような感触です。
またMont-brancの時のガイドさんと同じように今回のAngeloさんも「スローで、疲れずに、どこまでも登り、どこまでも歩く」というスタイルだったため、だいたい1時間に250m登りのペースで進んでいきます。

4時にFestigletscher(フェスティ氷河)の取り付きでアイゼンを付け、氷河を登っていきます。
去年はこの取り付きで引き返しましたが当日はリラックスしていたため、よほど去年は体調が悪かったんだなぁと感じました。

この日は満月に近かったため、夜明け前でした氷河の様子やこれから登るDomの輪郭が見えました。
またヘッドランプが照らす氷河がキラキラと光り、きれいだなあと思っているとところどころにものすごいクレバスの口が開いており、そこを渡ったりジャンプしたりしながら登っていきます。

5時20分ごろにFestigratへの取り付きに着きました。ここでⅡ、Ⅲ級の岩登りが60mほどあります。
2回、ビレイをしてもらい登りましたが、Mont-brancの時の岩稜は氷と雪と岩のミックスが800mほどあったので、それに比べるとだいぶ楽でした。

5時49分にFestijoch(3723m)に到着し、休憩。
ここから上級者の人達は山頂まで続くFestigrat(フェスティ稜)を登っていきますが、みなアイススクリューとPetzlのQuarkを持っており、難度の違いが判ります。
ちなみにgratはドイツ語で「岩稜」のことで、日本だと奥穂高岳にSeitengarat(ザイテングラート=側稜)に名残がありますね。

ノーマルルートはここから北側に100mほど下り、また少し登り返してHohberggletscher(ホーベルグ氷河?)というもう一つの氷河に下ります。

このHohberggletscherを登っていくと、Domの頂稜部の全体が見えてきました。
ものすごい大きさのセラック(氷塔)が発達しているのがわかりますが、何故か気持ちはとてもリラックスしており、楽しんで登っていました。体調も万全です。
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稜線の左の岩のとげとげしたところがFestijochで、そこから雪面を降りてHohberggletscherに来ています。
雪質はとても良く、がっちりとアイゼンが効きました。
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セラックを横目に見ながら東に回り込むように大きく迂回したところがDomの取り付きで、いきなり急登が始まります。
イメージ的にはここから赤岳の文三郎道が始まるような感じを持っていたのですが、4000m近い高度のせいかそれよりもはるかに長く感じました。

二回目の休憩は7時27分で本当にイメージしていたようにちょうど文三郎道の途中のようなところでした。
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東を見るとLenzspitz方面から朝日が登ってきました。
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Lenzspitzから続く稜線にあるNadelhorn(右)(4327m)と、Stecknadelhorn(左)(4241m)の素晴らしい角度の山容のMischabel chainと登ってきたHohberggletscher。
余談ですが、このMischabel chainの稜線はほとんど日本人は行っていないようですが、Eigerのノーマルルートよりも難度が高めです。
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さらにそこから1時間20分ほど登り、おそらく最後の登りで残り30分くらいだろうという前で少し靴擦れ気味に足が痛くなってきたため、もう一休みさせて欲しいと頼んだところ、Angeloさんは「OK。休もう」ということになりました。
山頂のように見えるところは山頂ではなくそこからさらに20分ほど、かなりの急登が続きました。

おまけにこの急登のところだけ、何故か風が非常に強く、足も2日でこれまで登ったことのない高度まで来ていたため、「これ以上この登りが続いたら足がどうなるんだろう?」と思い、本当に必要最小限の力だけで登るよう心掛けました。
(写真は下りに撮りました)
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Festigratを登って山頂から降りてきた(ちょうど朝食でお湯の件で指摘してくれた)クライマーのパーティがすれ違い際に「Almost end!(もう少しだ!)」と言ってくれましたが、その後も急登はしばらく続き、また下を見ると気持ちが悪いくらいの高度差の空間が広がっていたため、とにかく一歩ずつ、必要最小限の力で登ることに集中しました。

すると突然ぽかんと小広いところにたどり着き、前には動画などで見ていた十字架とそれに続くナイフリッジが見えました。
Angeloさんに「Is here top?(ここが山頂?)」と聞くと「Yes, Goood!」という答えが。
がっちりと握手を交わしました。
9時19分、山頂にたどり着きました。
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気づいたらMatterhornは既に眼下にあり、その他の憧れの山々も自分よりも低い位置にありました。
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あのWeisshornさえもほぼ同じ高さに。ここよりも高い山は、奥に見えているMont-brancと、Monte Rosaしかないのです。
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今回はMont-brancの時のように心拍が上昇して足に力が入りにくくなり、「全力を尽くして」登ったのとは異なり、全体的にリラックスして登れました。
後ろに見えるのが、Monte Rosaです。
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山頂にはこの後、風が強くなる予報だったため3分ほどしかいませんでした。帰りの長さを考えると、妥当だと思います。
まず先程登ってきた急登を慎重に下ったのち、徐々に高度を落としていきますが、あまりペースが上がりません。
これは何か食べるべきだなぁなどと考えていました。

下りは少しずつ写真を撮らせてもらいました。
LenzspitzeとSaas-Fee方面
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下り方面(下っていくクライマーのパーティと、登ってくるReginaさんとHelmutさんが右下に小さく見えます。)
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巨大なクレバスが所々に開いています。
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登りの2回目の休憩場所と同じところで休憩し、日本の山登りと同じように昼ごはんに持ってきていた菓子パンを食べたら、足が回復しました。その後は日本の山と同じくらいのペースで下ります。

下り途中に横からみるセラック。50mくらいの高さがあります。
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クレバスのそばまで寄ってのぞいてみましたが、底が全く見えませんでした。
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Domの頂稜部を東の下部から。
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同じく西の下部から。大きな山です。
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Hohberggletscherから100mほど登り返して、Festijochへ戻ってきました。
クライマーの人達に追いつきました。
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朝は暗くて全貌がわからなかった60mほどのFestigratの取り付きの岩場です。
帰りは二回の懸垂下降であっという間に下りました。
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山頂へと続くFestigrat。
お昼になり気温が上がってきて雪が溶けてきたせいか、クライマーの人達と話をしている間、上から落石がバウンドしてきます。
中には大きなものもありました。
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後はこのFestigletscherを下って帰るだけですが、じつはこのFestigletscherが標高が低いためかクレバスの周りの雪が緩んでいて、何度かクレバスをジャンプで飛び越える必要がありました。
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朝、アイゼンを付けたFestigletscherへの取り付き。
後はガレ場を下って、
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Dom hutteに帰ってきました。13時50分でした。
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ガイドのAngeloさんと一緒に写真も撮ってもらいました。
山の力や技術はもちろん、なにより人間として本当に素晴らしい方です。
去年体調が悪い僕を見て「大丈夫、大丈夫。」と言ってくれていた通り、この日も「大丈夫だよ。」と励ましてくれ、おかげで本当に良い山登りが出来ました。
Saas-Feeのガイド組合に所属していますが、ご出身はイタリア語圏のスイスだということでした。
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クライマーのグループの人達とも握手。朝のお湯のマナー知らずの非礼をお詫びすると、「こんな素晴らしい日にお互い頂上まで行ったんだ。そんなこと、全く問題ないよ。時間があったら乾杯しよう!」と言われました。

その後Angeloさんと登頂の乾杯と昼食を食べてReginaさんとHelmutさんを待ちました。
色々話している中で「来年ももしよかったら一緒に他の山に登ってもらえますか?」と聞くと「もちろんだよ。Matterhornは登りたくないのかい?今日の体力とクライミングを見ていれば、全く問題ないよ。」と言われたので、「まだクライミングに自信がないので来年までに、もっと成長してきます。」と伝えると、Angeloさんは笑っていました。
他にもDent Blancheも行けるよ、などいくつかの山を教えてくれました。

Angeloさんはその後山を下りるよと言って、準備を始めたため、再び握手と来年の再会を約束して、お別れしました。

そのうちにReginaさんとHelmutさんが下りてきたので話を聞くと、山頂には登ってこれたが、下りで足が痛くなって休み休み下りてきたという話でした。
二人はここでもう一泊して下りるという話でしたが、まだ時間もあったため、僕は山を下りることにしました。

お二人ともがっちり握手して来年の再開を約束し、特にHelmutさんからは「来年も来るんだろう?また会おうな!」と言われ、日本から遠く離れたZermattに知っている人が少しずつ増えていくことがとても嬉しかったです。

16:00に出発し、行きと同じルートをさらに1500m下り、Randa駅には18:45分に着きました。
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今回の山登りは天候にも、また特にたくさんの素晴らしい人たちとの出会いに恵まれ、思っていた以上にリラックスして登ることが出来ました。

また昨年の経験から「こう登ったほうが良いのではないか。こう準備をしたほうが良いのではないか。」とあれこれと考えてまとめていたことをほぼ実証することが出来て、そういった面でもとても充実した山登りになりました。



それにしても、あの白く気高く聳える山々は、これまでどれほどの逞しく、素晴らしい人たちを育んできたのでしょうか。
そしてそれは、あの山々がこの地にある限り、これから先どんなに人間が進歩しても、変わらないのだと思います。
言葉で表すのは難しいのですが、願わくば僕も彼らのように、生きていきたいと思います。
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