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秋山郷のもっきりや

秋山郷に「山房もっきりや」という宿あり。
山小屋ではありません。温泉宿でもありません。
秋山郷の中でもさらに辺鄙な場所に「来るなら来てみろもっきりや」
という、いかにも偏屈そうな宿です。

HPあります。ブログもあり、マメに日々が綴られています。
http://mokkriya.sakura.ne.jp/
2019年2月には「ナニコレ珍百景」でも紹介されたらしい。

我々も行かねばなりません。
imarinリコメンドの中からおそるおそる「もっきりや」をチョイス。
電話します。

「9/20に3名でお邪魔したいんです。」
「あーはいはい、大丈夫ですよ。」
「前日、志賀高原から入って、岩菅の避難小屋泊りで切明に縦走します。
 翌日は鳥甲の予定です。」
「あー岩菅からね。烏帽子岳過ぎるといやらしい下りがあるからね。そこからさきは
あーいってこーいってね、あっこらへんがちょっとどーにかなってね、切明の発電所にね
こーいってあーいって下りてくるのね。気を付けてね」
「一泊3,000円でね。食事は夜、朝、一食500円で用意しますよ。
一食500円だからね、その辺にあるもの適当にね、ちょちょっと出すけどね。
こちとら勝負だからね、満足してもらうようにがんばるよ。」

口調はちょっと乱暴だが、いろいろわかり易く教えてくれる、気のいいおっさんの様子。

「鳥甲山の登山口までどのくらいですか?」
「あー、ウチ出てね、道を付けてありますからね、すすーっとあがってね、林道に出たら
左にね、くいーっと曲がってね、ずずーっと行けばじきですよ。」
「何分くらいですか?」
「まー20分位かね。おくってやってもいいよ」(お、ラッキー)
「朝、早いんですけど」
「まーね、七時と言われれば、七時に、六時と言われれば六時に、
五時って言われたらね、まーぶつぶつ文句言いながらごはん出しますよ。
卵とね、納豆みたいなもんだけどね。ぶつぶつ言いながらね。やりますよ」

「あ、りがとうご、ざいます・・・」
「まーいずれにしてもね、台風とか来るから。予定変更有無に関わらず
連絡下さいね」

「了解です!よろしくお願いします!」

という事でファーストコンタクト終了。
・話が長い
・口が悪い
・でも、とても親切なおっさん。

数日後に再度連絡。
「ブログとか拝見して、おやじさんもお酒好きみたいなので、
いっしょに飲みたいと思いましてね。事前にお酒送っていいですか?」
「えへへ、そうかい?事前つってもね。どうしよっかな。
 なんだったら、街に買い物行くついでに買って置いといてやるよ」(お、ラッキー)
「いくらくらいのどんなの、とか言ってくれればね、もし来れなくなっても、
他のお客さんとかね、流用はいくらでもできるからね。」
「あ、りがとうご、ざいます・・。じゃ、また連絡します!」

セカンドコンタクト終了。
・酒が好きだ
・やはりとても親切だ。

ここから先はメールで連絡

う:天気微妙です。直前にご連絡します。お酒の銘柄はお任せします!
も:酒はいろいろある。一本買っとく。天気悪ければ、私が飲むことになるであろう。

う:こちらはこだわりなしの3名です。よろしくお願いします。
も:新潟の酒を用意しておきます。
 岩菅からの道はかくかくしかじか。
 切明に着いたら連絡くれれば、軽トラで迎えに行きます。
 鳥甲山下山後の交通はかくかくしかじか。

おー、至れり尽くせり。早速マル・イマに「もっきり通信」展開する。

まる:こうまで言われたらもっきりするしかない。
まる:9/19 新幹線あさま 長野8:38着でもっきり
いま:夜行バスでいくもっきり。到着時間はおなじでもっきり

もう3名の頭の中は「もっきり」でもちきり。妄想しまくり。

という事で先のマルさんブログにある行程で
岩菅からそれなりに難儀しながら切明に降り立ち、風呂入ってビール飲んで
おっさんに電話。
ぷるる・ぷるる
「下りたかい!」
「あ、はい」
「ふろはどうする、切明で入る?ウチで入る?」
「早めについたので、はいっちゃいました」
「そうかい、じゃ、10分後にでるから、待ってて」
「あ、はい、ありがとうございます」
せわしないやら、段取りいいやら。

お迎えの車は軽トラという事で、なかなかのスリルを味わいながら
もっきり。
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一件見栄えが悪く思えますが、ちゃんとみるとちゃんとしてます。
中もとてもきれい。

食事する和室は一階。
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寝室は二階

「じゃ、ゆっくりしてて。ご飯はやめに用意するからね。
明日早いんだね?」

洗濯したり、シャワー浴びたり
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宇宙と交信したり
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でのんびり過ごして、食事

用意していただいた酒を頂く。
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ごはんは、決して豪勢ではなく、量が多いわけではないが
ちまちまとたくさんおかずがならぶスタイル。
登山者仕様なのか、味は濃いめ。塩分がしみるー
どのおかずも全てがうまい!


終盤におやじも話の輪に加わる。
■もっきり:
   もりきり酒 昔、いろんな酒を混ぜて量り売りしていた時代に
   もりきり一杯(1合)なみなみ大サービス、という意味。
     
■二階に在った大量の書籍:
   今あるうちにとりあえず、集めておいて、あとからゆっくり読む
   太宰・安吾・鏡花・ドストエフスキーもろもろ。
   オーソドックスな文学から変わり種まで。

あとから思えばなんでこんなことしちゃったんだろと思いながら生きている。
(という様なことをぼやいていたような・・・)

きっと毎日自問自答しながら苦しくも楽しく生活されているのだろう。

炊き込みご飯で、行動食のお握り作り。
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翌朝六時半には行動開始したい、とお願いし、
朝食は五時半。

これもまた「ちまちま」とたくさん並びました。
たまごやきは少し甘め。
DSCF1316.jpg


10月に入ると、いつ雪が降ってもおかしくないようです。
決して世捨て人のようではなく、
かといって、人恋しく話が止まらない、というわけでもなく。
ある意味毅然とした姿が印象に残るおやじでした。

P9210088-001.jpg
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【うーさん】





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もっきりとつげ義春

友人に勧められてたもっきりや。宿リストに混ぜ込んだら、まんまと選ばれたでもっきり(^_^;)
もっきりって??の会話で、もっきりじーさんからつげ義春の話が。そうだ、それ、あった!そのもっきりか。
次回は佐武流山でも行くときにお世話になりたいでもっきり。

銘柄

肝心の地酒の銘柄が分からない…。

もっこり、もっきり

「盛りッ切り」から来てるのね~!三人さんはぴったりのお宿です!

んとね

もっこりじゃねーよww

銘柄はね、たぶん高千代。
一升1,800円くらいのグレード。

正確にはimarinよろしく。
世田谷山友会のプロフィール

世田谷山友会会員

Author:世田谷山友会会員
東京都下北沢を拠点に活動しています。個人の山行活動を応援し技術向上と安全で楽しい山ライフを目指しています。

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